主将のささやかな休息時間
年に一度の笑みの続きです。
勧誘組は構内の生徒を勧誘する係です。
お昼休みには食堂に集まる新入生にビラ配りをします。ここではいろんな部活がビラ配りをするため入口が大混雑します。
正規練習時には構内を徘徊してビラ配りと勧誘を行います。
勧誘活動は私にとっては練習指導組の時よりハードルが低かったです。
下級生の時から何度か経験し慣れがあったのに加え、何より監視の目から一時的に解放されるからです。
主将が監視の目から解放されるとは一体どういうことなんでしょうね。
構内のマップを元に区間分けされているので、場所によってはのんびり散歩することも夢ではありません。
練習着のまま行うため遠巻きにもばれる、ノルマもあることからそれはできませんでしたが私としては少しばかり心が休まる時間でした。
私が1、2年生の頃の勧誘は手当たり次第でしたが、3年目ともなれば来てくれそうな人がなんとなくわかります。
それは気弱そうで一人で歩いている男子生徒です。
最終的には50%以上の確率はあった気がします。
もちろん脅したりはしませんし、1度粘ってだめならさよならします。(怖い思いさせていたら申し訳ない。)
2~4人組の男子生徒も場合によっては一気に釣れたりもしますが、一人の時に比べ成功率がダウンする気がします。
女子生徒は、構内の人数自体が少なくレアキャラでしたが、今度は逆に気が強そうな雰囲気で、かつ一人で歩いている生徒の勧誘成功率が一番高かった気がします。
(大抵スポーツウーマンでした。)
というか気弱そうな女子生徒にはもはや通報されそうな気がしたので、ちょっと怖かったですね。
あとは4人ほどの比較的大人数の集団のほうが成功率が高かった気もします。
ここでちょっとした問題は、学年がパッと見分からないので「これは新入生やろ」と思っていたら大学院生でした、なんてことも時々あることでした。
大体の場合、学部ごとの新入生の授業の終わる時刻を調べておいて、その建物の辺りに出張るのですが
時間が経つにつれて上級生というはずれを引きやすくなります。
また、例年のことなのですが新入生も日にちが経つにつれ加入する部が決まったり、断り方が上手になってきます。
更にうちの部は、当時他と比べ勧誘が盛んすぎることもあり生徒課などに目を付けられていたらしいので情報が行き渡り後半になるにつれ勧誘が困難になります。
何事も早期にということで方針を立てていた我々は前半にそこそこの勧誘に成功し、どうにかこうにか目標ぎりぎり達成ならずくらいまで漕ぎ着けられ、良しとされました。
そしてやはりこの後、私が在部中に70%が辞めていくのでした。