大学部活回想記

叱られ続きの主将(笑)がべしゃる

年に一度の笑み

部活動で春先に行われる新入生の勧誘は、部活幹部生にとっての最初の大きな仕事です。

練習は未経験者用のものが用意され、ポスターの貼り付けやビラ配り、放課の勧誘などを行います。

明確なノルマは決まっていませんでしたが、大体これぐらいは集めようかという目標は上級生や先生OBOGの方々から言われていました。

自信はありませんでしたが、一旦入部させるくらいなら不可能な数字ではありません。

ただ、どうせ辞めてくのにここまで必死になる必要ある・・・?とも思ってもいました。

正規練習時間には主に勧誘組と練習指導組に分かれていました。

練習指導組で活動していた時のことです。

いつもしかめっ面ばっかりの先輩二人が、見たことのない笑顔で新入生に指導しているのです。

いえ、よくよく考えればこの笑顔が咲く時期がありました。まさにこの新入生歓迎の時期です。

あまりに珍しくて忘れていました。

そして私はこれを見たとき、笑えるような憎しみのような怒りのような、はたまた絶望のような入り混じった感情を覚えた記憶があります。

単純に見慣れなさすぎて「気持ち悪いなぁーww」ということもあれば

「その笑顔の1/100でも我々に向けてくださっても良いのでは?」という怒り

「こうしてまた一人地獄へと引きずられていくのか、南無三」という落胆の感情などです。

桜は見てて気持ちがいいですが、この笑顔という花は見るには刺激が強すぎます。

もはや意味詐欺行為では?とも思えましたが、ノルマもあるし協力してくれているわけなので、だまって一緒に偽りの笑顔を振りまくのでした。


次回に続きます。